60年前のお宮の工事が順調に進んでいます。
4月に鬼瓦を取り外し、鬼師に制作を依頼中です。
6月には屋根瓦の解体を終えています。
その後は、部分的に屋根下地が腐っていたので、大工により補修工事が行われました。
幸い、屋根の懐の中にある「跳木」と言われる丸太は無事でした。これが腐っていれば、「工事中断」「予算の検討」「屋根下地の分解」「跳木交換」「下地復元」とかなりの仕事が発生し、工事の進捗にも大きく影響が出る所でした。
しかし、表面の削ぎ板(現在のフェルト)と屋根野地板の交換のみで終わり、安堵しました。
大棟の下地はかなり腐っていましたが、これは簡単に交換出る部分ですので、あっという間に交換を終える事が出来ました。
ここで問題は、瓦棟を建てるのに「泥」が使われていなかったことです。
白い石膏のようなもので「のし瓦」が積んでありました。高さは1mもあります。
当初より、60年間も台風で被害が出なかったものだと感心していましたが、やっと答えが見えました。
しかし、それが何だか分かりません。
そこで、島根県産業技術センターに分析を依頼しました。
そこでは、あまりにも古いので、成分が変化してハッキリとした数値が出ないかもしれないと言われました。
同時に、年配の左官さんなどにも聞いてみていたところ、70過ぎた左官さんに、「漆喰壁の下塗り材」が「当時存在している」と言われ、現在もそれが存在していることが分かりました。
比較してみるとほぼ同じ成分でしたので、それを採用する事にしました。
私の祖父が当時「棟梁」だった「棟札」があり、今回、ひ孫が1級建築施工管理技士として現場管理をしているで、これから60年間無事に台風にも飛ばず、大雨にも負けない建物が作れるかプレッシャーがかかる所です。
(泥葺きは30年が過ぎると、泥が風化して崩れてくるので、それが一番心配でした)
7月に入ってからは、瓦敷きが順調に行われています。
鬼師からの連絡によると、鬼瓦が小さいものから順次搬入されるとの事です。
7/25~8/15に掛けて、鬼瓦の取付が終われば、1mの棟建て工事に進んでいきます。
あとは台風が心配です。
神様に台風が来ないように拝むだけです。