これを作った職人は、ほぼ還暦を超えてしまいました。
毎日30名程度の30代の職人が、自分の持ち場を責任をもって、何度も何度も確認し、チェックしてもらい、本番の棟上げを迎えました。
一か所でもミスが出れば、工事がストップします。
また、代わりの材料もないので、取り返しが付きません。
かなりのストレスの中、無事に工事が進みましたが、
「鳶さん」が、一度だけ転落事故をしました。
10㎏(?)のカケヤで叩いても入りませんでした。
それは、1週間雨降りが続いたため、木材が膨張し、仕口(咬み合わせ)がきつくて入りません。
そこで、粉引き用の石臼を持ち出して、それで叩き始めましたが、ちょっと角をくって、石臼が横にはじかれ、そのまま転落?。
かと思いきや、これだけ木材が組んであると、2m下には沢山の丸太があるので、それに飛び移って、事故には繋がりませんでした。
後で聞くと、「はじかれた場合には、どれに飛び移るか常に考えて、作業していた」とおっしゃられました。
いまなら「先行足場」があり、そもそも転落事故など在りませんが、当時は足場無しでも平気、サーカスのような作業がまだまだされていました。
もう一つ「ヒヤリハット」がありますので、後ほど写真を探してUPしたいと思います。