社長ブログ
新築古民家完成
和風の和小屋構造で新築



いわゆる「和小屋」で棟上された大空間を持つ住宅。
中国山脈の地松の丸太が横田町で組まれ、古色塗りをしてトレーラで運ばれました。
当時の大工さんはもう70才、弊社に弟子入りし独立し、ブレーン5名も同じ年代、安心して仕事が任せられるチームでした。 これだけの規模は絶対に一人ではできません。 初めての者だけでは丸太加工できませんが、成ったとしても半年は掛かったでしょう。 和小屋の墨付・加工・組立が出来る最後の職人だっと思います。
同時並行で出雲の弊社で、土台・4.5寸栗柱・欅大黒柱・地松梁・羽柄材加工は仮設の大工小屋を足場材で作り大人数で実施しました。 中でも古色塗りには苦労しました。 最後には加工場が真っ黒になり、何も触れないぐらい黒くなってしまいました。 一抱えもある丸太は直径が40㎝だと円周は1.3m×長さ8mで=10.4㎡、それを何十本塗るわけですので、500ℓ程度の柿渋を注文するとメーカーから「何に使用されますか?」と質問が来たくらいです。 それは大変でした。
現在の建物の構造計算で言うと、「平面剛性、屋根面剛性」が丸太を組み合わせる事で、実現できているのです。 斜めの火打材や、小屋筋違い、雲筋違いなど不要です。 鉄骨を溶接したくらいの強度はあると思います。 古代工法と言われれますが、それを解析しコンピューターで数値化したもののお手本になっているだけだと思います。 また、ホールダウン金物の計算をしても、大黒柱に35kNの金物を入れろと出ましたが、柱が400㎏もあるので抜けません。 不要でした。
当時設計では安くするために大型建物で使われる洋小屋で建てるかと言うときに、材木屋の社長から「山で丸太を切るが要らないか?」と連絡があり、すぐさま4名で見に行ったのが始まりです。
本当に貴重な体験でした。
建築の集大成をさせてもらえました。 ありがとうございました。